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2009/10/27

演技している人が苦手なのは疲れる。

 子供の頃、図書館や公民館のような場所で繰り広げられる紙芝居の読み聞かせに行ったことがある。

 いい大人が「うぎゃぁ!桃太郎め!」と鬼になりきって紙芝居を大きな声で読んでいた。桃太郎なら桃太郎として話し、イヌの時はイヌ、サルの時はサル、キジの時はキジとして話す様子がバカっぽくて面白かった。そのどうしようもない貧相な非日常に笑わされていた。

 あの頃はうまく言葉を扱えなかったから言えなかったけれど、もし扱えたなら「いい歳して『ギャー』とか『うわー』とか、よくやるねぇそんなこと」と言ってみたかった。こういう感情はあの頃からまったく変わっていない。ひとつ変わったことは、それを恥ずかしく感じるようになった。

 俺はドラマを見るのが苦手で、映画も苦手だったりする。演劇なんてとんでもない。人が演技しているだけで恥かしくて見ていられない。声だけのアニメでさえもちょっとキツイ。

 どんなにイケメン俳優だろうが美人女優だろうが、どんなに演技派俳優だろうが個性派女優だろうが、家に帰ればあくびしながらケツを掻いているはずだ。
 朝起きれば目には目ヤニがついていて、よだれは口の横で白くカピカピになったりしているはずだ。
 セーターには毛玉がついているだろうし、天気のいい日にはシャツやパンツを洗濯したり、ジャージのままコンビニで立ち読みとかするだろう。うまい棒とか買ったりするはずだ。
 暑い日には「暑いな」と思って汗をかくだろうし、寒い日には「寒いな」と思って着込んだりするだろう。

 ドラマや映画を見ていると『そんな事実は一切ありません』という顔をしてカメラの前でカッコつけたり深刻な表情をしている。俺はそれを見ていて「この人なにしてんの?」という雑念がいつも頭によぎる。そして演技している人の内面や暮らしぶりを想像して恥かしくなってしまう。

 それでも見たい内容のドラマ、映画、アニメ、演劇はある。がんばって見てみるのだけれど、そういう雑念を振り払いながら見るのはかなり疲れる。

 立派な目標をかかげる政治家も、その政治家に意見のある活動家も、ビジュアル系ミュージシャンも、真面目そうな好青年も、真っ赤なドレスを着た美女も、普段はみんなマヌケなはずだ。マヌケなくせに人前では「マヌケではない」演技をしているのがどうしても俺には恥ずかしく思えてしまう。

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