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2008/07/02

Fried Chicken

 今日、フライドチキンで有名なファーストフード店が新しくなった。世界中にあるそのチェーン店すべてが全メニューを変更し、新しい調理法で新しい味になったという。

 数ヶ月前からあらゆる場所に「新しくなった私たちを受け入れてください」と広告が出された。日々の生活でその広告を見ない日はなく、駅にはポスター、街には看板、電車やバスやタクシーにはステッカーが張られた。

 テレビでもラジオでもそのCMは毎日のように流れた。新聞にも一面広告が毎日のように載った。この広告に数兆円が使われた、そんなニュースもあった。俺はあまりにもやりすぎじゃないかと不思議だった。

 夕食の時間。女性が買ってきたフライドチキンが食卓に並べられた。その女性は「とても安かった」と喜んでいた。こんがりとキツネ色に揚げられた鶏皮の表面には黒ゴマがかかっている。

 そのフライドチキンはどこまで食べても何の味もしない。何の下味もつけず鶏肉をお湯でそのまま煮ただけのような味。それどころか鶏肉の味もしない。本当に味がない。お世辞にも美味しいなんてものじゃない。

 俺は何かの間違いかと思いもうひとつチキンを食べてみたが、両方同じような味がした。いや、味はしなかった。あのファーストフード店はわざと無味に変えた。これは本当に人の食べるものなのだろうか。

 この新しくなったチキンの評判を知りたくなり、このことを話題にしているブログや掲示板を巡ってみた。どこを見ても高評価ばかりが書かれていた。「味がしない」などとはひとつも書かれていなかった。

 翌日、世界中で新しくなったチキンは大好評だと朝のニュースは伝えた。

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