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2008/07/02

Under The Bridge

 街には大きな川が流れていて、そこには自信に満ちた大きな橋がかかっている。向こう側にある街に行くにはどうしてもこの橋を渡らなければいけない。その橋は何車線もある大きな車道と人がひとりやっと通れるだけの細い歩道という設計になっている。

 歩行者にとってはお世辞にも親切な設計ではないと思うが、私はこの橋を歩いて渡るときは世界を覗きこんでいる気分になれて気に入っていた。通り過ぎる車の車種と年式を予想したり、よく晴れた日は空を眺めたり、大雨が降った次の日は川の流れを覗いたりした。それは毎日の暮らしの中で最も充実した時間になっていた。

 ある日、橋の真ん中までくると小さな階段を見つけた。いままでこんな所に階段なんてあっただろうか。何の意味があってこんなところに階段があるのだろうか。この階段の下には何があるのだろう。私は好奇心に勝てず歩道よりもさらに狭い階段を下りてみた。不幸にも「この階段、降りるべからず」という張り紙はなかった。

 その階段の下には広い草原があった。まるでどこか異次元の世界に迷いこんだような気分になっていた。そこには足の長さが5メートル程あるゾウがかなりの速度で移動していたり、小ぢんまりとしてハンサムなクマが行儀よく列をつくって歩いていたり、何かを一心不乱に食べているワニのような皮膚のウサギがいた。

 これはとんでもない所に迷いこんでしまった、はやく戻らないと私も食べられてしまう。いそいで降りてきた階段を振り返ると今までそこにあったはずの階段はなくなっていた。代わりに何の引っ掛かりもないツルリとした壁があるだけ。どうあがいても届かないその上で車が知らん顔して走っている。

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