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2008/03/06

ひとつだけのウソ。

「あのさ、お前を疑ってるわけじゃないんだけどさ」
「え?なんすか怖い顔して」

「お前、俺の金盗った?」
「は?盗ってないっすよ、何言ってんすか」

「ふーん。まあ、お前がそういうなら信じるけど」
「いやいやいや、俺のこと疑ってるんですか?」

「いや、そういうわけじゃないよ。うん、全然」
「そうすか。お金が無くなったんですか?」

「貯金箱がなくなってるんだよ」
「貯金箱?あー、そうなんですか」

「昨日、昨夜未明、貯金箱が忽然と姿を消した」
「えー。あれですね、失踪事件っすね」

「そう。俺の貯金箱が失踪したんだよ」
「えーと、いくらくらい入ってたんですか?」

「大体ね、そうだな8万円くらいかな」
「うわー、結構な額じゃないですか」

「お前、昨日俺の部屋に来たよな?その時なにしてた?」
「え、やっぱり俺のこと疑ってますよね?」

「いや、疑ってるってわけじゃないよ」
「だから、俺は知らないですって」

「あのさ、昨日の夜のね、アリバイとかってある?」
「え、ちょっと待ってくださいよ。絶対俺のこと疑ってるじゃないですか」

「いや、一応ね、一応、ほら、参考までに聞いてるだけだから」
「アリバイ?アリバイっていわれてもなぁ」

「昨日の夜にさ、お前が俺の部屋で何をしてたかって証明するものさえあれば、それでね、もうお前への疑いは晴れるわけだからさ」
「ほら、疑ってますよね。」

「疑ってるよ」
「あ、ほらっ」

「わかった。じゃあ3万円貸して。それでいいから」
「いやいや、それでいいからとかじゃないですよね?」

「いや、だけどね、今のところお前が一番怪しいわけ」
「はぁ・・・」

「で、真犯人が判るまでさ、お前から3万借りるんだよ」
「うーん」

「真犯人がわかったら、お前に3万はちゃんと返すから」
「えー?ホントですか?」

「それはもう、ちゃんと返すよ。今さ、3万だけでもないとホント困るんだよ」
「えー、でもなぁ」

「じゃあ返すときは利子つけて返すからさ、ホント頼むよ」
「わかりましたよ。はい3万円。でも俺が犯人じゃないですからね」



1週間後



「あのさ、お前を疑ってるわけじゃないんだけどさ」
「なんすか。っていうかこの前の真犯人は見つかったんですか?」

「あっ・・・えーと、いや、真犯人は、まだ、見つかってないな」
「はやく見つけてくださいよ。あとあの時の3万も返してください」

「あー、3万ね。あれはねー、今はちょっと無いから、いつか返すよ」
「いつかじゃなくて今返してくださいよ。あの3万円、何に使ったんすか」

「ホントだよな、まったく。犯人のヤロー、早いとことっちめてやる」
「いや、そうじゃなくて、3万も何に使ったんですか?」

「うーん、あれだよ、ちょっとね、お馬さんにニンジン買ってあげちゃった」
「お前ちょっとそこ座れ」

「カワイイの!お馬さんチョーカワイイの!」
「いいから座れ」

「・・・はい」
「おい、正座だよ」

「すいません」
「何だ、買ったのはニンジンだけか?」

「あのー、えーと、その後に、ちっちゃい玉が・・・」
「銀色のか」

「あ、はい。なんかピカピカしててとってもキレイだなー、いっぱい欲しいなーって思って」
「なんだその神田うのみたいな発想は」

「はい、すいません」
「あんた、さっき同じ手口でまた俺をひっかけようとしてなかったか?」

「してないっす、そんなこと全然、してないっす。ひっかけるだなんて人聞きの悪い」
「じゃあ今度は俺に何を疑ってたんだ、お前は」

「実はその、真犯人を知ってるんじゃないかなー?ってちょっと、疑ったというか」
「え?真犯人ってホントにいるの?」

「もちろん!何をおっしゃってるんですか、いるに決まってますよ!」
「あー、そこはホントなんだ」

「ホントですよ!そこは、っていうか全部ホントですよ」
「あー、そうなのか」

「はい、もう、真犯人が全然わからなくてですね、もう検討もつかない状況でして、もしかしたらあなたが真犯人のヤツをかばってらっしゃるんじゃなかろうか?なんて思っちゃったりしましてですね」
「うーん」

「もし真犯人をあなたが知っていらっしゃるようならばですね、よろしければそいつが誰なのかを教えていただけないだろうかと」
「いや、それはホントに知らないんだよ」

「そうですか、ではもうそれは結構でございます。ええ、もうちょっと自分で調べてみますんで、はい」
「うん、そうしてくれますか」

「はい、もちろんそうします。えーと、あのですね、そのー、捜査費用といってはなんですが、真犯人の調査ってのは結構あのー、ま、お金がかかるわけなんですよね、ええ」
「あー、そうなんですか。いくらくらい?」

「んー、まあ、だいたい、5万円ほど、かかっちゃうんですよね、ええ、大変ですよ」
「なるほど、それは大変だね。まあ、俺も乗りかかった船だし、真犯人は捕まえたいし」

「ええ、もう真犯人が見つかったら頭をひっぱたくなり火あぶりにするなり好きにしてくださって結構でございます、はい。まあ、それでね、捜査に金銭面で協力していただけると助かるなー、ありがたいなー、捜査がスムーズにいくなー、なんて事を思ってるんですよ」
「じゃあ、わかった。5万円ね。はい、これで真犯人をはやく捕まえてくださいね」

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