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2007/10/30

竹の子



「いやいや、すごいねこれは。今年もかい?」
「ああ。今年はずいぶんと産んだ」

「どうするんだい、こいつら?」
「今年もひとりひとり潰していくさ。しょうがない」

「かぐや姫はどうしてる?」
「たくさん産んだからね、疲れて寝てるよ」

「潰すなら何人かもらっていいかい?」
「どうするんだ?お前が育てるのか?」

「いや、海外の金持ちがこの子たちの何人かを欲しいって言っててね」
「やめておくれよ。この子達がどんな子なのか説明したのかい?」

「いや、してない。でも潰しちまうよりよっぽど幸せじゃないか」
「俺はそれがこの子達の幸せとは思えないね」

「そんなことはない。金持ちなら立派に育ててくれるさ」
「大人になってみろ。毎年毎年何十人も竹に入った子を産むようになるんだぞ。誰がそんな人間の面倒をみてくれるっていうんだ」

「そんなの、言わなければわからないじゃないか」
「バカ言え。いつか分かってしまうものなんだよ」

「じゃあ、最初に説明するよ。それならどうだ?」
「誰がそんな子を欲しがる。それに、この子達が海外で幸せになれるはずがない」

「きっと何かの病気なんだろ?海外で治してもらえばいい」
「病気じゃない。そういう生き物、生態なんだ。それは変えようと思っても出来ないことだよ」

「じゃあ言わせてもらうけどね、毎年毎年生まれてきた子を潰す必要はないだろう?この子たちが可哀相じゃないか」
「この子たちは潰さなくちゃならない。そのまま放っておけば食われてしまうからね」

「食う?何をだ?」
「親を食料にするんだよ。生きるためにね」

「そんなバカな?それじゃまるでカマキリじゃないか」
「この傷を見てくれよ。去年、潰しそこなった子に食われかけてね」

「だから生まれて間もないうちに潰してしまうのかい・・・」
「俺が生きて彼女を愛し続けるには、この子達を潰さなくてはいけないんだ」

「そんな・・・」
「かぐやはさっき寝てるって言ったけどね、本当はひとりで泣いてるんだ」


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