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2012/10/06

小便のしぶき。

「ガザ地区に爆撃しているイスラエル兵みたいな気分になる」と彼は言う。僕は彼の頭がついにいかれたのだと確信する。
「なにが?」と僕は彼を傷つけず悟られないように、彼の頭はいかれていないかのように振舞いながらたずねる。どうか彼が僕の心を読みませんようにと祈りながら。
「洋式便器に爆撃を落としていくんだ」と彼は答える。彼の顔がほんの一瞬、真顔になったことを僕は見逃さなかった。
「真ん中の水の貯まっている所がパレスチナ、その周りが壁なんだ」と両手を使い大きなドーナツをさする様な動きをして彼は僕に説明する。
「あれって自分が思っている以上に小便のしぶきが飛んでるっていうだろ」と彼は言い、僕から目をそらす。
僕は何と答えるべきだろうか。この会話のキャッチボールはまだ続くらしい。そして今、ボールは僕の手元にある。
「最近は座りながらする人も増えてるらしいね」我ながら当たり障りのない答え。これ以外に僕が何か言えることはない。
「女々しいよな」と彼は言う。「地下室かどこかで画面見ながらロボット操作してたんだろ?Xboxかなんかのコントローラーで」なぜ彼はこんな話をしているのだろう。なぜそんな話を僕に向かってしているのだろう。
「そのコントローラーってちゃんと振動する機能も付いてたのかな?」
「イスラム兵の頭を打ち抜くとブルブルするくらいは欲しいよな。画面上にスコアとか出してさ。ヒゲが立派なヤツほど高得点だ」彼はそう言いながら両手でコントローラーを操作する仕草をする。彼は不謹慎なヤツだと思う。
「あれでハイスコア出したヤツにはボーナスぐらい出ただろうな。出なきゃおかしいよな」と彼が言う。
「ああ、そうかもね」と僕は答えた。その言葉が僕の口からすべり出た瞬間に共犯者になった気がした。
「原発に偵察いかせたカメラ付きロボットの操作もXboxのコントローラーだったろ。あいつらあのコントローラーの活用すごいよな」ああ、そんなこともあったような、なかったような。
「日本もプレステのコントローラー持って戦争する日が来るかな?」
彼は少しの沈黙の後、「女々しいよな」と言った。彼は続けて「俺はWiiのコントローラーがいいな」と言った。

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