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2010/10/30

あの娘は俺をルンルン気分でなぎ倒していった

今日のオープニングテーマ
YouTube - 【PV】 ヘビーローテーション / AKB48 [公式]

もしも俺に「あなたはAKB48のことが好きか?」と問われたならば沢尻エリカもビックリするくらいの真顔で「別に」と答えるだろう(いや、実際にそう答えたことがある)。「嫌いか?」といわれれば、嫌いというわけでもない。嫌う理由も特にない。10代の女の子たちが歌ったり踊ったりしているのを嫌う理由がどこにあるのか。俺にとってAKB48は「あまり興味がない」と言うほか無い。コンビニの駄菓子コーナーだ。

AKB48、彼女たちの曲は人の集まる場所に置かれたスピーカーから流れてくる。あらゆる街角で、あらゆるレンタルビデオ店で、あそこの牛丼屋で、どこかのパチンコ屋で。休日出勤の社員のストレスをやわらげるためなのか有線リクエストから社内でかかることもあるだろうし、バイト中の店内用BGMで一日に10回以上聴くはめになっている人もいるだろう。授業中に教師の死角になる側の耳に刺さったイヤフォンからわざわざ聴いている人もいるに違いない。

彼女たちの元気のいい歌声はあらゆる場所でBGMになっている。彼女たちはBGMなのだ。オシャレなバーのジャズ、大きな本屋のクラシック、ドンキホーテの「どんどんどーん。どーんきー。どんきーほうてー」だ。わざわざ気に止める必要もない音楽だ。

その日、俺はレンタルビデオ店にいた。店内にはBGMとしてAKB48の曲が流れ始め、俺は頭の片隅でその事実を確認した。それ以上はそのことを気に止める事もなく、最新作のDVDにするか過去の名作DVDにするかを悩んでいた。その場で俺の抱える問題はそれだけだった。

向こう側の棚に高校生あるいは大人びた中学生くらいの女の子がひとり、ジャージ姿のラフな格好でDVDの棚を眺めていた。失礼な話だが、特に可愛いわけではなかった。しかし彼女はそのBGMに合わせて「あいをんちゅー」と口パクをした。しかも軽く頭を振りリズムまで加えながらだ。誰に見せるためでもなく、DVDの棚を眺めたまま、ただ自分の好きな歌に合わせて口パクしながら頭でリズムをとったのだ。

俺は彼女のその様子を目撃してしまった瞬間、ヒザから崩れ落ちるような衝撃を走らせていた。俺にそう思わせた彼女は勝ったのだ。圧倒的に勝ったのだ。認めなければならない、俺は彼女に負けた。最初から勝ち負けがつくはずもない勝負だったが、彼女は俺を口パクしながらルンルン気分のままなぎ倒していった。恐るべき女だった。それとも恐れるべきはAKB48なのか。ハッキリとはわからない。

俺はその日DVDは何も借りずにひとりで帰ってきた。もう何も見る気が起きなかった。彼女は俺の何かを奪っていったのだ。残念なことに私の横にはそれを指摘してくれる銭形警部はいなかったが、俺はクラリスのことを理解できた。しかし、ひとつわかったことがある。俺たちの街にはリズムが足りない。それは俺たちの街だけではなく、北海道から九州・沖縄までリズムが足りないのだ。俺たちの国にはすべてをなぎ倒してしまうようなリズムが必要だ。


今日のエンディングテーマ
YouTube - Creed - Sister

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